ものづくりのキーワード

45Rのものづくりのキーワードは、
「クラフト感」。
「人の手」を経て生まれた服からにじみ出る
風合いや仕上がりを総称する言葉です。
「本当にいい、でもどこにもないもの」を
追求する45Rの考える、「クラフト感」とは?

 
企画素材部 松原みどり

 クラフトの哲学
機械を通しても、「人の手」が感じられるものに

45Rだからこそできることがある、と語るデザイナーの松原さん。
―45Rのものづくりにおける「クラフト感」とは、どんなものを指すのでしょうか。
松原:一つひとつの行程に「人の手」が入っているものすべてを、そう呼べると思います。手刺繍などはわかりやすい例ですよね。でももっと前の工程、例えばTシャツの生地を編む糸にも手作業で糊付けをするとか、初めて使うリネンの細い糸を、糸に負荷がかからないようにゆっくり編んでみる。そこにだって見えないけれど人の手が関わっている。それももちろん、「クラフト感」と呼べますよ。
とにかくゼロから、人の手と想像力を大事にものを作っていく、というのが私たちのものづくりの特徴です。機械に任せっきりでものを作っていると、想定していた通りのものしかあがってこない。私たちはそこに自分たちのアイディアを掛け合わせて、最初のイメージ以上のものを生み出すことを意識しています。

45Rだからできることがある、と語るデザイナーの松原さん。

絵筆のあとがよくわかる、プリントの原案。




―そうした「手仕事」は、具体的にどんなものがあるのでしょうか。
松原:例えば、この白地にブルーのプリント。45Rはプリント用のテキスタイルも手で描いています。染付の器の、白地ににじんだブルーの雰囲気を洋服で表現したくて生まれたものです。長年45Rでテキスタイルを担当して頂いている日本画家の方にお願いしました。絵を描くので終わりではなく、そこから絵をちぎったり、拡大したり、コラージュして、試行錯誤しながら柄をつくっていきます。
これは「縮絨ウール」といって、薄いウールの生地を洗いにかけて、わざと縮めたもの。実際は洋服のかたちになった状態で縮絨するので、縫い目がわからないくらい馴染んで着心地もとてもいい。縮絨するまえは、仕上がるサイズの倍くらいの大きさなんですよ。狙いどおりのシルエットに仕上げるのがとても難しいので、生産がスタートする前に自分たちの手で試験を繰り返します。そのデータをもとに工場と話し合い、そこでも何度も試しながら、やっと製品となるのです。やっぱりここでも、手仕事ですね。

絵筆のあとがよくわかる、プリントの原案。

描いた絵を実際に切り貼り、
レイアウトし、全体のバランスを整える。


あたたかみのある「R」はなんと手書き。
柄との調和を重視する。


元のものからぎゅっと縮んだ様子がわかる縮絨の生地。

描いた絵を実際に切り貼り、
レイアウトし、全体のバランスを整える。


あたたかみのある「R」はなんと手書き。
柄との調和を重視する。


元のものからぎゅっと縮んだ様子がわかる縮絨の生地。
 インドのものづくり
布のルーツの地が持つ奥深い世界

手織りの柔らかさ、ふくらみを感じられる「カディ」の布。
―日本だけでなく、世界各地でも「ないものづくり」に取り組んでいる45R。
インドではどんなものづくりを行なっているのでしょうか。
松原:主にはプリント製品です。それから、インドにはガンジーが広めたと言われる手紡ぎ、手織りの布「カディ」があります。とても風合いがよく、初めて出会ったときには感動しました。手でゆっくりと織るから、一緒に空気も織りこむようなふっくらとした軽さと柔らかさに仕上がります。お客さまにも特にファンの多い生地です。

手織りの柔らかさ、ふくらみを感じられる「カディ」の布。


―インド現地とはどんなコミュニケーションをとっていますか。
松原:年2回は実際に工場へ行って、細かなやり取りを重ねています。現地に足を運んだ分だけ得られるものがあります。
布のルーツを調べていくと、世の中にある布の原点はすべてインドからきている、というくらいの歴史があるんです。工場との往復の合間に、染めや織り物のミュージアムや産地に足を伸ばしてみると、いつもその奥深さを発見できる。目で見たもの、手で触れたもの、すべてが新しいものづくりへのインスピレーションになっています。


 ないものづくりの信念
45Rの目指す、「本当にいいもの」


―手仕事のものづくりを商品化し、量産していくときに最も気を付けていることは何でしょうか。
松原:最初に自分が「かわいい」と感じたポイントを、ぶらさずにずっとチェックしていくことですね。はじめに感じた愛らしさも、量産製品になっていくとどんどん省かれてしまう部分が出てきてしまいます。その中でも、これだけは絶対守らなくてはいけない、というポイントを諦めずにやり続けることが大事だと思っています。
もちろん、アイディアをたくさんストックしておくことも仕事のひとつ。常に新しいもの、どこにもないものを作ろうとする情熱を持って、皆それぞれが研究し続けています。



志に向かって深化しつづける、45Rのものづくり。


―コストも時間もかかる中で、こうしたクラフト感へのこだわりを追求する理由は何でしょうか。
松原:この会社のものづくりのテーマは、「気持ちの良い服を、喜んで着ていただく」ということ。たとえば目で見る限りはほとんど気付かれないような縫いしろも、あるかないかだけで着心地が抜群に変わります。
「本当にいいもの」を追求しつづける強い想い。それは私たちの「クラフト感」へのこだわりにもつながります。それが普通のものづくりではできないと思っていたことの実現につながる。ずっとわたしたちの作る服をそこに45Rが世の中で洋服を生み出す意味があると思っています。

志に向かって深化しつづける、45Rのものづくり。